仕入れの話をすると、
よく「もっと安い業者を探せばいい」と言われます。
でも、実際に店を運営してみると、
その言葉がどれだけ現実とズレているかが分かります。
問題は、
「安いか高いか」以前に、
比較そのものができない構造にありました。

情報がないわけではない。
ただ、「一次情報」で止まっている。
業界には、インフォマートのような
非常に優れたプラットフォームがあります。
店舗側から見ても、
・取引先を探せる
・仕入れ履歴を確認できる
・仕入れリストをExcelでダウンロードできる
これらは、間違いなく大きな進歩です。
自分自身も、非常に革新的だと感じています。
ただ、それはあくまで
**「一次的な情報整理」**に留まっています。
例えるなら、
デーティングアプリのようなものです。
1対1で相手とマッチングする。
連絡先を交換する。
それ自体は便利ですが、
本当に知りたいのは、
・市場全体ではどうなのか
・選択肢は他にどれくらいあるのか
・相場として妥当なのか
という、俯瞰した情報です。
本当に必要なのは、「集約」と「分析」
飲食店が本当に欲しいのは、
・業者を横並びで比較できること
・情報形式が統一されていること
・価格や条件が時点ごとに把握できること
つまり、
バラバラに存在する情報を、
一箇所に集めて、自動的に分析する仕組みです。
個別に連絡を取って、
個別に納品書を見て、
個別に判断する。
このやり方のままでは、
比較は「作業」になり、
やがて誰もやらなくなります。
なぜ、比較できない構造が続いてきたのか
個人的に感じている理由は、
とてもシンプルです。
業者が、それぞれ「自分の城」の中で
完結して生きてきたからです。
・商品情報
・価格
・取引条件
・納品方法
これらはすべて、
業者ごとに閉じた世界の中で管理されています。
他の業者と比較される必要もなければ、
協力する理由もない。
結果として、
店舗側は「紹介」や「慣れ」で
取引先を選ぶしかありませんでした。
城が大きくなるほど、コストは外に出る
もう一つ、避けられない現実があります。
業者の規模が大きくなればなるほど、
・人件費
・物流コスト
・管理コスト
は確実に増えていきます。
そして、そのコストは最終的に
価格という形で、店舗側に転嫁される。
これは誰かが悪いわけではありません。
資本主義の中では、極めて自然な構造です。
問題は、
その構造が「見えないまま」
固定化されてきたことでした。
もし、この構造を壊せるとしたら
もし、
・各業者の強みだけを切り出せて
・情報が開かれ
・比較と分析が自動で行われる
そんなプラットフォームがあれば、
話はまったく変わります。
業者は、
「全部を抱える城」を大きくする必要がなくなり、
店舗は、
価格だけでなく、
条件や強みを理解した上で選択できる。
それは、
店舗にとっても、
業者にとっても、
よりフェアな状態だと思っています。
この考えは、
最初からビジネスとして考えていたものではありません。
自分の店を運営する中で、
「なぜ、こんなに分からないまま
お金を払い続けているのか」
という違和感から生まれたものでした。
今もこのフィールドノートでは、
解決策を売りたいわけではありません。
仕入れや流通の現場で感じてきた
構造的な違和感を、
そのまま言葉にして残しています。
もしこの文章を読んで、
「これは自分の店の話だ」と感じる部分があれば、
それは決して特別なことではないと思っています。
本記事は、KURUチームが
実際の飲食店運営・流通現場での経験をもとに
構造的な課題を整理したフィールドノートです。

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