飲食・流通の現場で感じた課題や気づきを記録するノート

KURU フィールドノートは、
飲食店の仕入れや流通の現場で実際に起きていることを、
立場を決めつけず、構造として記録するためのノートです。
特定のサービスを紹介することを目的とせず、
現場で感じた違和感や問いを、そのまま残しています。

最初から、
卸業者の現場を理解しようと思っていたわけではありません。

出発点は、
あくまで飲食店側の問題でした。

飲食店の仕入れや発注の非効率をどうにかしたくて、
その解決策として、KURUマートという仕組みを作りました。

その過程で、
自然と卸業者との接点が増えていきました。
現在は、27社の業者と日常的に一緒に仕事をしています。

そこで初めて、
業者側が抱えている現実を、
現場レベルで見ることになりました。


業者の仕事は、想像以上にアナログだった

多くの飲食店では、
いまだに発注が手書きで行われています。

電話、FAX、LINE。
形式はバラバラで、
それらが一日に何十件も届く。

業者側では、
その注文内容を短時間で読み取り、
自社の基幹システムへ
人の手で一件ずつ入力しています。

当然、
この作業には人件費がかかります。

そのコストは、
最終的に価格という形で、
飲食店側へ転嫁されていきます。

アナログが原因で生まれた負担が、
別の場所でまた負担として戻ってくる。
そんな悪循環が、
当たり前のように存在していました。


曖昧な注文が、現場をさらに疲弊させる

発注内容の曖昧さも、
業者にとっては大きな問題です。

たとえば
「生1」という注文。

それが何を意味するのかは、
その店をよく知っている人にしか分かりません。

「コーラ1」という注文も同じです。
1本なのか、1ケースなのか、1箱なのか。
判断できないまま、とりあえず持っていく。

違っていれば、
その場で返品し、
再配送を行う。

こうした無駄な往復が、
日常的に発生しています。


業者は、店にも振り回されている

業者と飲食店の関係は、
理想的な対等関係とは言えません。

実際には、
強い立場にあるのは飲食店側です。

価格交渉、
急な変更、
支払いの遅れ。

集金の問題は、
業者にとって常に大きなリスクとして存在しています。

それでも業者は、
営業、集金、顧客管理、配送、事務処理まで、
すべてを自分たちで抱え込んでいます。


だから見えてきたこと

こうした現場を見て、
はっきり分かったことがあります。

卸業者が非効率なのではありません。
アナログな情報、
曖昧な発注、
分断された業務構造が、
生産性を大きく下げているだけです。

もし、

・正確な発注情報が
 最初から電子で届き
・営業や集金、顧客管理から
 業者が距離を取れる仕組みがあり
・物流と情報が
 一つの流れとして整理されるなら

業者は、
本来やるべき仕事に集中できます。

KURUマートの構造は、
そのために生まれました。

業者が参加することで、
アナログな発注処理から解放され、
無駄なコストが減り、
結果として飲食店にもメリットが戻る。

これは、
どちらかが得をする仕組みではなく、
双方が疲弊しないための構造だと考えています。


このカテゴリーについて

このカテゴリーでは、
卸業者の現場で起きている問題を、
個別の善悪ではなく、
構造として整理していきます。

最初に森を描き、
次に木を一本ずつ見ていく。

次回は、
卸業者にとって特に大きな課題である
「集金」の問題について、
現場の現実から掘り下げていきます。

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