飲食・流通の現場で感じた課題や気づきを記録するノート

KURU フィールドノートは、
飲食店の仕入れや流通の現場で実際に起きていることを、
立場を決めつけず、構造として記録するためのノートです。
特定のサービスを紹介することを目的とせず、
現場で感じた違和感や問いを、そのまま残しています。

卸業者の現場で、
最も消耗する業務の一つが
集金です。

商品を届けることよりも、
請求書を出すことよりも、
実はその後の「回収」に
多くの手間と時間が使われています。


支払い方法が、そもそも統一されていない

現場で起きているのは、
非常にバラバラな支払いルールです。

・ある店は、請求書を本部に送る
・ある店は、現場に送る
・「届いていないから再送してほしい」と言われる
・請求書自体を紛失しているケースもある

これだけでも、
事務作業は一気に増えます。


回収サイクルも、店ごとに違う

さらに厄介なのが、
回収のタイミングが統一されていないことです。

・毎日集金
・週に一度
・10日締め
・月末締め

同じ卸業者が、
複数のサイクルを同時に回すことになります。

これは、
仕組みではなく
人が調整し続ける前提の構造です。


期限内に支払われない現実

現場感覚として、
約30%の取引先は、
期限内に入金されません。

悪意があるとは限りません。

・忙しくて後回し
・確認が遅れた
・本部承認が止まっている

理由は様々ですが、
結果として、
再確認・再訪問・再連絡が必要になります。

そのたびに、
人が動きます。


集金コストは、最終的に価格に転嫁される

人が動くということは、
コストが発生しているということです。

・確認の電話
・訪問
・経理処理
・管理工数

これらは、
目に見えにくいですが、
確実に積み上がっています。

そしてそのコストは、
最終的に
商品価格に転嫁されていくことになります。

集金の問題は、
業者だけの問題ではなく、
市場全体のコスト構造に
影響を与えています。


なぜB2Bでは、電子決済が進まないのか

個人向けの世界では、
キャッシュレス決済は
すでに当たり前になっています。

一方、
B2Bの取引では、
今でも

・請求書
・銀行振込

が前提のままです。

理由の一つは、
決済手数料です。

カード決済などを導入すると、
約3%前後の手数料が発生します。

利益率の低い取引では、
この3%は
簡単に吸収できる数字ではありません。


導入したくても、導入できない構造

電子決済を使えば、
回収リスクは減ります。

事務負担も軽くなります。

それでも、
手数料が重くのしかかり、
結局は
従来のやり方に戻らざるを得ない。

この状況は、
意識や努力の問題ではなく、
構造の問題です。


集金は、業務ではなく構造の副作用だ

卸業者が集金に追われるのは、
能力が低いからでも、
管理が甘いからでもありません。

支払い方法が分断され、
ルールが統一されず、
人が間に入る前提で
回っている構造の中にいるからです。

集金は、
本来の業務ではなく、
この構造が生み出した副作用に近いものです。

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