飲食・流通の現場で感じた課題や気づきを記録するノート

KURU フィールドノートは、
飲食店の仕入れや流通の現場で実際に起きていることを、
立場を決めつけず、構造として記録するためのノートです。
特定のサービスを紹介することを目的とせず、
現場で感じた違和感や問いを、そのまま残しています。

個人向けの決済は、
ここ数年で一気に電子化が進みました。

クレジットカード、
QRコード決済、
非接触決済。

現金を使わなくても、
ほとんど困らない環境が
すでに整っています。

一方で、
B2Bの取引はどうでしょうか。


B2Bでは、今も請求書と振込が前提

卸取引や業務用の取引では、
今でも

・請求書を発行し
・銀行振込で支払う

という流れが
当たり前のように続いています。

FAXや電話が残る現場では、
この形が
長年「普通」として
受け入れられてきました。


電子決済が進まない理由は、技術ではない

ここで誤解されがちなのは、
「B2BはIT化が遅れているから」
という見方です。

しかし実際には、
技術的な問題は
ほとんど存在しません。

システムはあります。
サービスもあります。

それでも進まない。

理由は、
構造の問題にあります。


最大の壁は、決済手数料

B2B取引では、
取引金額が大きく、
利益率は低いケースが多くあります。

その中で、
クレジットカードなどの
電子決済を導入すると、
約3%前後の手数料が発生します。

この3%は、
B2Bの現場では
非常に重い数字です。

・すでに薄い利益
・価格競争
・原価高

こうした状況の中で、
簡単に吸収できるコストではありません。


「便利さ」と「負担」が一致しない

電子決済を導入すれば、

・集金リスクは減る
・事務作業は楽になる
・未回収の不安も減る

理屈では、
メリットは明確です。

しかし、
その便利さの対価として、
毎回確実に発生する手数料を
誰が負担するのか。

この点で、
多くの現場は
立ち止まってしまいます。


支払う側も、受け取る側も余裕がない

電子決済が進まないのは、
どちらか一方が
抵抗しているからではありません。

支払う側も、
受け取る側も、
余裕がない。

・飲食店は利益が残らない
・卸業者は回収コストを抱えている

その中で、
新たな固定費や手数料を
受け入れる判断が
難しくなっています。


だから、人が間に入り続ける

結果として、
人が間に入る構造が
温存されます。

・請求書の確認
・入金チェック
・未回収の連絡
・再請求

本来、
仕組みで処理できる部分を、
今も人が支えています。

これは非効率ですが、
現状では
最も現実的な選択肢でもあります。


電子化が進まないのは、合理的な結果でもある

B2B決済が電子化されない現実は、
怠慢や遅れの結果ではありません。

低い利益率、
分断された取引構造、
手数料前提の決済モデル。

これらを前提にすると、
今の形は
ある意味、合理的な結果とも言えます。


本当に必要なのは、決済だけの話ではない

重要なのは、
決済を電子化すること自体ではありません。

・取引情報が整理され
・流れが一つになり
・人が介在しなくても回る

そうした構造があって、
初めて決済の電子化が
意味を持ちます。

決済だけを切り出しても、
現場は楽になりません。

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